あるとき、彼女が仕事を終わるのを、彼女の職場の外で待っていたことがありました。
私はその女性に思いを寄せていたので、少しでも話したい、そう思ったからです。
普段からバイクに乗っている私は、外でバイクにまたがったまま待っていました。
その季節は寒い冬場だったので、防寒の意味も含めてヘルメットはずっと被ったままいたのです。
しばらくして、彼女が建物から出てきたので、被っていたヘルメットを脱ぎ、帽子に被りなおし、彼女の前に行こうと思っていました。
ところが帽子がないことに気付いてしまったのです。
きっとどこかで落としてしまったのでしょう。
好きな女性の前に出るためには、帽子が必要。
そんな考えしか持てなかったいじけた私は、円形脱毛症の自分の運命と帽子を落としてしまったドジな自分に腹立たしさをおぼえながら、そのまま彼女の姿が遠のいていくのを、離れた場所からじっと見ていました。
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円形脱毛症の苦悩(7)
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